■ 西 陵 歌 |
妾乘油壁車,カ乘ハ馬。
何處結同心、西陵松柏下。
わたくしは、赤い色をした轎に乗り。あなたさまは、あし毛の馬に乗っている。
どこで、契りを交わしましょうか。西陵の松柏の下で(契りましょう)。
西陵歌
妾(わたくし)は 油壁の車に 乘り,カ(あなた)は の?馬に 乘る。
何處(いづこ)にか 同心を 結ばん、西陵の 松柏の下(もと)。
蘇小小 南斉(南齊)時代、謝?と同時期、銭塘の名妓。才色兼備の誉れが高かった。現・浙江省杭州市、「銭塘」のこと。唐代に「唐」字を避けて「錢唐」を「銭塘」とした。白楽天、杜牧、羅隱も詩の中に詠う。妾乘油壁車、カ乘ハ馬。
わたしは、赤い色をした轎に乗り。貴男は、あし毛の馬に乗っている。
・妾 わたし。わたしめ。女性の謙譲を表す一人称。 ・乘 のる。 ・油壁車 赤い色をした漆塗りの轎。駕籠。 ・カ 貴男。 ・?馬 葦毛の馬。青、白の毛の混じった馬。
何處結同心、西陵松柏下。
どこで、契りを交わしましょうか。西陵の松柏の下で(契りましょう)。
・何處 どこで。 ・結同心 男女が契りを交わす。・西陵:地名。現・杭州の銭塘江の東の蕭山市。 ・松柏下:松や柏(はく。コノテガシワ)の繁っている木の下。松柏は、常緑樹で、変わらぬ誓いともとれ、また、墓場の樹木でもあり、偕老同穴の誓いともとれる。
漢詩」