女性詩人 |
沈満願 (范靖婦) (梁の征西記室范靖の妻) | ||
昭君歎二首 其一 早信丹巧 |
昭君歎二首 其二 今朝猶漢地 |
映水曲 | 詠歩揺花 |
戯蕭娘 | 詠五彩竹火籠 | 詠鐙 |
女性詩人 |
沈満願 (范靖婦) (梁の征西記室范靖の妻) | ||
昭君歎二首 其一 早信丹巧 |
昭君歎二首 其二 今朝猶漢地 |
映水曲 | 詠歩揺花 |
戯蕭娘 | 詠五彩竹火籠 | 詠鐙 |
女性詩人 |
沈満願 (范靖婦) (梁の征西記室范靖の妻) | ||
昭君歎二首 其一 早信丹巧 |
昭君歎二首 其二 今朝猶漢地 |
映水曲 | 詠歩揺花 |
戯蕭娘 | 詠五彩竹火籠 | 詠鐙 |
女性詩人 |
沈満願 (范靖婦) (梁の征西記室范靖の妻) | ||
昭君歎二首 其一 早信丹巧 |
昭君歎二首 其二 今朝猶漢地 |
映水曲 | 詠歩揺花 |
戯蕭娘 | 詠五彩竹火籠 | 詠鐙 |
戯蕭娘 范靖婦沈満願 宋詩<120>玉台新詠集巻四 女性詩 557 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1488
戯蕭娘
明珠翠羽帳、金薄?帷。
ねやの奥座敷に輝いている真珠を鏤めた翡翠のとばり、その内側に金箔を飾った緑のうす絹のとばりがある。
因風時?擧、想像見芳姿
風に吹かれて時にはしばらくまくれ上がってしまう。きっとその中に(蕭娘さん)あなたの綺麗なお姿があると思います。
?晨插歩揺、向晩解羅衣。
清々しい朝を迎えると外していた簪を髪に挿すのでしょう。それから晩方になればその奥座敷でうすぎぬの肌着をとくことでしょう。
託意風流子、佳情?肯私。
あなたはあの風雅なあの人(范靖)に心を寄せていますね。そういう男女の愛情について私は独り占めにしようなんて思ってもいませんから。
(蕭娘を戯むる)
明珠【めいしゅ】翠羽【すいう】の帳【とばり】、金薄【きんぱく】?【りょくしょう】の帷【い】。
風に因りて時に暫く擧がる、想像して芳姿を見る。
?晨【せいしん】に歩揺を插【さしはさ】み、晩に向いて羅衣【らい】を解く。
意を託すは風流の子、佳情 ?【なん】ぞ肯えて私にせん。
現代語訳と訳註
(本文)戯蕭娘
明珠翠羽帳、金薄?帷。
因風時?擧、想像見芳姿
?晨插歩揺、向晩解羅衣。
託意風流子、佳情?肯私。
(下し文)(蕭娘を戯むる)
明珠【めいしゅ】翠羽【すいう】の帳【とばり】、金薄【きんぱく】?【りょくしょう】の帷【い】。
風に因りて時に暫く擧がる、想像して芳姿を見る。
?晨【せいしん】に歩揺を插【さしはさ】み、晩に向いて羅衣【らい】を解く。
意を託すは風流の子、佳情 ?【なん】ぞ肯えて私にせん。
(現代語訳)
ねやの奥座敷に輝いている真珠を鏤めた翡翠のとばり、その内側に金箔を飾った緑のうす絹のとばりがある。
風に吹かれて時にはしばらくまくれ上がってしまう。きっとその中に(蕭娘さん)あなたの綺麗なお姿があると思います。
清々しい朝を迎えると外していた簪を髪に挿すのでしょう。それから晩方になればその奥座敷でうすぎぬの肌着をとくことでしょう。
あなたはあの風雅なあの人(范靖)に心を寄せていますね。そういう男女の愛情について私は独り占めにしようなんて思ってもいませんから。
(訳注)
戯蕭娘
蕭娘:沈満願の夫の范靖、梁の征西記室范靖の愛人、第二夫人、家妓とおもわれる。戯れるは「因風」「想像」「?晨」「向晩」末の二句にあらわしている。
沈滿願 :生卒年不詳。?の武康の人。沈約の孫娘。征西記室范靖(靜)の妻。
西暦540年ごろの梁武帝最盛期頃に評価を受けたようである。ただ、沈約(441年-513年)は学問に精励し学識を蓄え、宋・斉・梁の3朝に仕えた。南斉の竟陵王蕭子良の招きに応じ、その文学サロンで重きをなし、「竟陵八友」の一人に数えられた。その後蕭衍(後の梁の武帝)の挙兵に協力し、梁が建てられると尚書令に任ぜられ、建昌県侯に封ぜられた。晩年は武帝の不興をこうむり、憂愁のうちに死去したというので、身分地位についてはそれほど高いものではなかったのではなかろうか。ただ、女性の立場で、王昭君の悲劇を呼んでいるわけで、詩界に参列できるだけのものであったことは間違いない。
明珠翠羽帳、金薄?帷。
ねやの奥座敷に輝いている真珠を鏤めた翡翠のとばり、その内側に金箔を飾った緑のうす絹のとばりがある。
・翠羽 翡翠の羽毛。
・?帷 うす絹のとばり
因風時暫擧、想像見芳姿
風に吹かれて時にはしばらくまくれ上がってしまう。きっとその中に(蕭娘さん)あなたの綺麗なお姿があると思います。
?晨插歩揺、向晩解羅衣。
清々しい朝を迎えると外していた簪を髪に挿すのでしょう。それから晩方になればその奥座敷でうすぎぬの肌着をとくことでしょう。
・?晨 情交の後の夜明けをいう。
・歩揺 かんざし。
・羅衣 閨の女性の衣服。うす絹の肌着。
託意風流子、佳情?肯私。
あなたはあの風雅なあの人(范靖)に心を寄せていますね。そういう男女の愛情について私は独り占めにしようなんて思ってもいませんから。
・託意 こころをよせる。・風流子 范靖をさす。一夫多妻制の時代で、第二夫人以降は美人で素養がある女性ほど男性の株は上がったのである。
・佳情 男女の愛情。・私 独り占めをするという意。
女性詩人 |
沈満願 (范靖婦) (梁の征西記室范靖の妻) | ||
昭君歎二首 其一 早信丹巧 |
昭君歎二首 其二 今朝猶漢地 |
映水曲 | 詠歩揺花 |
戯蕭娘 | 詠五彩竹火籠 | 詠鐙 |
詠五彩竹火籠 范靖婦沈満願 宋詩<121>玉台新詠集巻四 女性詩558 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1491
詠五彩竹火籠
可憐潤霜質、繊剖復毫分。
愛らしいのは若竹の時の竹の表面の白粉をつけた時の潤のある竹質である、その竹を細かく裂き、そして、毛のように割かれるのである。
織作囘風苣、製爲?綺文。
その裂かれた竹は燻製の煙がよく回るように丸い腰尻のように織り込まれ、めぐる綺麗な彩の綵絹をはりつけてできあがるのである。
含芳出珠被、曜彩接?裙。
芳しい香りを含み、そして珠の付いた被服に出してくる、輝く彩と女性の下半身に着ける萌黄のはかまにかおりが接合している。
徒嗟金麗飾、豈念昔凌雲。
竹にとっては嘆かわしいことであろう、こんな風に黄金でもってきれいに飾られていることが、昔はあのように立派に雲を凌いで高く聳えていたというのにそんなことは今は思いもしないことだ。
(五彩の竹火籠を詠う)
可憐なる潤霜【じゅんそう】の質、繊剖【せんぼう】して復た毫分【ごうふん】す。
織りて囘風の苣【きょ】と作し、製して?綺【けいき】の文と爲す。
含芳【がんほう】珠被【しゅひ】より出でて、曜彩【とうさい】?裙【しょうくん】に接す。
徒【いたずら】に嗟して金麗の飾、豈念【おも】わんや昔 雲を凌ぎしを。
現代語訳と訳註
(本文)詠五彩竹火籠
可憐潤霜質、繊剖復毫分。
織作囘風苣、製爲?綺文。
含芳出珠被、曜彩接?裙。
徒嗟金麗飾、豈念昔凌雲。
(下し文)
(五彩の竹火籠を詠う)
可憐なる潤霜【じゅんそう】の質、繊剖【せんぼう】して復た毫分【ごうふん】す。
織りて囘風の苣【きょ】と作し、製して?綺【けいき】の文と爲す。
含芳【がんほう】珠被【しゅひ】より出でて、曜彩【とうさい】?裙【しょうくん】に接す。
徒【いたずら】に嗟して金麗の飾、豈念【おも】わんや昔 雲を凌ぎしを。
(現代語訳)
愛らしいのは若竹の時の竹の表面の白粉をつけた時の潤のある竹質である、その竹を細かく裂き、そして、毛のように割かれるのである。
その裂かれた竹は燻製の煙がよく回るように丸い腰尻のように織り込まれ、めぐる綺麗な彩の綵絹をはりつけてできあがるのである。
芳しい香りを含み、そして珠の付いた被服に出してくる、輝く彩と女性の下半身に着ける萌黄のはかまにかおりが接合している。
竹にとっては嘆かわしいことであろう、こんな風に黄金でもってきれいに飾られていることが、昔はあのように立派に雲を凌いで高く聳えていたというのにそんなことは今は思いもしないことだ。
(訳注)
詠五彩竹火籠(五彩の竹火籠を詠う)
・五彩 竹の籠に張った絹の模様が五色である、五色糸で織られていれば錦となるが、五色に輝くでもよい。
・竹火籠 火籠は内部で香を焚き上部に竹の籠を置いて衣服に香をしみこませるものである。竹製の燻籠のことをいう。女性の比喩としている。
可憐潤霜質、繊剖復毫分。
愛らしいのは若竹の時の竹の表面の白粉をつけた時の潤のある竹質である、その竹を細かく裂き、そして、毛のように割かれるのである。
・潤霜 若竹の時の竹の表面の白粉をつけた時の事を云い、女の処女、乙女をいう。
織作囘風苣、製爲?綺文。
その裂かれた竹は燻製の煙がよく回るように丸い腰尻のように織り込まれ、めぐる綺麗な彩の綵絹をはりつけてできあがるのである。
・織作 竹細工で織り込んでいく。
・囘風苣 ラッキョウのような丸い腰尻形をいう。
・?綺文 めぐる綺麗な彩の綵絹
含芳出珠被、曜彩接?裙。
芳しい香りを含み、そして珠の付いた被服に出してくる、輝く彩と女性の下半身に着ける萌黄のはかまにかおりが接合している。
・含芳 竹かごに架けた被服に香燻が含まれる。
・?裙 女性の下半身に着ける萌黄のはかま。腰巻のような役割のもの。
徒嗟金麗飾、豈念昔凌雲。
竹にとっては嘆かわしいことであろう、こんな風に黄金でもってきれいに飾られていることが、昔はあのように立派に雲を凌いで高く聳えていたというのにそんなことは今は思いもしないことだ。
・金麗飾 テクストによっては金を「今」に作るが芸妓の比喩であることからは、黄金の方がよい。
・凌雲 青竹が高く聳えて生えていたこと。
女性詩人 |
沈満願 (范靖婦) (梁の征西記室范靖の妻) | ||
昭君歎二首 其一 早信丹巧 |
昭君歎二首 其二 今朝猶漢地 |
映水曲 | 詠歩揺花 |
戯蕭娘 | 詠五彩竹火籠 | 詠鐙 |
詠鐙 范靖婦沈満願 宋詩<122>玉台新詠集巻四 女性詩559 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1494
詠鐙
綺筵日已暮、羅幃月未歸。
美しいむしろに日が暮れてきた。うすぎぬの帳にはまだ月かげは映らない。
開花散鶴彩、含光出九徴。
燈火の花が開く、そこには鮮やかな色の鶴の影が散っている。こうした光を含んでいる景色は西王母を迎える漢の武帝が灯した九徴の鐙のひかりがでているのだ。
風軒動丹?、氷宇澹?暉。
この鐙は風の吹く軒に丹い焔をうごかす。そして氷を思わせるほどすんだ空に青いひかりをうすく挙げている。
不吝輕蛾繞、唯恐曉蠅飛。
蛾や虫が軽やかに飛びまわるは惜しいとも何とも思わないのだけれど、ただ、待ち続ける夜が明けて蠅が飛びわるのだけは怖いことなのだ。(このような花の宴を設置するのなら来てほしい。その中で私は待っているのよ。)
綺筵【きえん】日 已に暮る、羅幃【らい】月 未だ歸らず。
開花 鶴彩【かくさい】を散じ、含光【がんこう】九徴よりも出づ。
風軒に 丹?【たんえん】を動かし、氷宇に?暉【せいき】澹たり。
吝【おし】まず輕蛾【けいが】の繞【めぐ】り、唯 恐る曉蠅【ぎょうぼう】の飛ばんことを。
現代語訳と訳註
(本文)詠鐙
綺筵日已暮、羅幃月未歸。
開花散鶴彩、含光出九徴。
風軒動丹?、氷宇澹?暉。
不吝輕蛾繞、唯恐曉蠅飛。
(下し文)詠鐙
綺筵【きえん】日 已に暮る、羅幃【らい】月 未だ歸らず。
開花 鶴彩【かくさい】を散じ、含光【がんこう】九徴よりも出づ。
風軒に 丹?【たんえん】を動かし、氷宇に?暉【せいき】澹たり。
吝【おし】まず輕蛾【けいが】の繞【めぐ】り、唯 恐る曉蠅【ぎょうぼう】の飛ばんことを。
(現代語訳)
美しいむしろに日が暮れてきた。うすぎぬの帳にはまだ月かげは映らない。
燈火の花が開く、そこには鮮やかな色の鶴の影が散っている。こうした光を含んでいる景色は西王母を迎える漢の武帝が灯した九徴の鐙のひかりがでているのだ。
この鐙は風の吹く軒に丹い焔をうごかす。そして氷を思わせるほどすんだ空に青いひかりをうすく挙げている。
蛾や虫が軽やかに飛びまわるは惜しいとも何とも思わないのだけれど、ただ、待ち続ける夜が明けて蠅が飛びわるのだけは怖いことなのだ。(このような花の宴を設置するのなら来てほしい。その中で私は待っているのよ。)
(訳注)
詠鐙
燈火について、夜を愛し、夜明けが来るのを恐れる女の気持ちを詠うのであるが、今日こそは自分を尋ねてくれ、一夜を過ごしたいと思って楽しみにしていた女性、待てども来ない夜、以前は楽しい中での燈火であったのである。朝が来るまでに来てほしいと女性は思うのである。それが最近続くので朝が怖いというものである。別の女性の所に行っていることへの嫉妬心はこの詩からは見えない。数多く詠った李商隠の女性を詠う詩の原型の詩である。
綺筵日已暮、羅幃月未歸。
美しいむしろに日が暮れてきた。うすぎぬの帳にはまだ月かげは映らない。
・月未歸 歸は回、去って又帰って來る。
開花散鶴彩、含光出九徴。
燈火の花が開く、そこには鮮やかな色の鶴の影が散っている。こうした光を含んでいる景色は西王母を迎える漢の武帝が灯した九徴の鐙のひかりがでているのだ。
・開花 燈火の花が開く。
・九徴 九徴の鐙のひかり。西育時代の張華によって纏められたとされる『博物志』に要約して次のように次のように書かれている。
西王母は'九華殿において武帝の請いに応じて元始天王から傳えられた長生の秘術を語る。語り終えた西王母はそのまま去ろうとするが'武帝は慇懃に九徴燈を設けて引き留める。そこで西王母はもう一人の女仙上元夫人を招く。西王母と上元夫人をまじえた席で'武帝は西王母から「五嶽眞形圖」と呼ばれるおふだの一種を'上元夫人から六甲靈飛など十二篇の紳雲を招く方を授かる。明旦に至って二人の女神は歸ってゆく。その後、武帝は西王母たちの戒めを守らなかったため'天火が下って授けられた経典は失なわれてしまう。
風軒動丹?、氷宇澹?暉。
この鐙は風の吹く軒に丹い焔をうごかす。そして氷を思わせるほどすんだ空に青いひかりをうすく挙げている。
不吝輕蛾繞、唯恐曉蠅飛。
蛾や虫が軽やかに飛びまわるは惜しいとも何とも思わないのだけれど、ただ、待ち続ける夜が明けて蠅が飛びわるのだけは怖いことなのだ。(このような花の宴を設置するのなら来てほしい。その中で私は待っているのよ。)
女性詩人 |
沈満願 (范靖婦) (梁の征西記室范靖の妻) | ||
昭君歎二首 其一 早信丹巧 |
昭君歎二首 其二 今朝猶漢地 |
映水曲 | 詠歩揺花 |
戯蕭娘 | 詠五彩竹火籠 | 詠鐙 |